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欧州デザイン探訪 第2回 ── Infiniti:北イタリアの色彩、コントラクト家具という選択肢

欧州デザイン探訪、第2回。弊社社員・月坂がミラノサローネ2026(Fiera Milano 公式会場)で出会ったブランドのひとつ、イタリアのコントラクト系(商業空間向け)家具メーカー「Infiniti(インフィニティ)」をご紹介します。日本では出展や流通の機会がまだ多くありませんが、ヨーロッパではホテル・レストラン・オフィスのプロジェクトで広く使われている一社です。
※ 自動車ブランド「INFINITI」とは無関係の、イタリアの家具メーカーです。

Infiniti とは ── 2008年創業、北イタリアのコントラクト家具ブランド

Infinitiは2008年、イタリア・ヴェネト州で創業した家具ブランドです(OMPグループ)。トレヴィーゾ県カステッロ・ディ・ゴデゴに本社を置き、近隣の Godego・Riese・Ramon の3拠点で鉄・樹脂・木材の加工を自社で手がけ、設計から製造までイタリア国内で完結させています。

扱うのはチェア、スツール、テーブル、モジュラーソファ、ベンチ、そしてアウトドアまで。ホテル、レストラン、バー、オフィス、教育施設といった「人が集い、働き、くつろぐ」商業・パブリック空間のシーティングを得意とするブランドです。公式には「デザインとは、日々の暮らしと共有空間をより良くする、分かち合われた表現である」という考え方を掲げ、Luca Nichetto、Philippe Tabet、BrogliatoTraverso をはじめ国内外20組以上のデザイナーと協業しています。掲げるコンセプトは 「Sit around the world」

Infiniti ブース全景:黄色いインダストリアル空間
Fiera Milano の Infiniti ブース ── 黄色いスチールフレームが組み上げるインダストリアルな空間。

月坂が現地で見た、黄色いインダストリアルなブース

今回の Fiera で印象に残ったのは、黄色を基調にしたインダストリアルなブース演出でした。スチールフレームの硬質さと彩度の高い色面が同居し、「写真映え」と「実際に腰かけたときの心地よさ」が両立していた、というのが現地での率直な印象です。スタッキングできるシェルチェアを軸に、レッド・イエロー・グリーンとカラーを展開していました。

Infiniti のチェアとカラーバリエーション
コントラクト用シーティングをカラフルに展開。スタッキングできるシェルチェアが主役。
Infiniti のテーブルとブランドサイン
打ち合わせスペースのテーブルとチェア。"infiniti" のサインが空間を引き締める。

第三者の評価 ── デザイン賞と、ヨーロッパでの採用実績

Infinitiのプロダクトは、国際的なデザイン賞で継続的に評価されています。German Design AwardGood Design Award、イタリアの ADI Design Index などへの選出がその一例です。

採用実績も特定の業種に偏らず、公式に公開されているものだけでも、De’Longhi 本社(イタリア)のオフィス空間、ベルリンのティーショップ「Tudo」、シチリアのレストラン「Ecclesia Cocktail & Seafood」、ナポリ・ヴェネツィアの学習スペース(CX)など。ホスピタリティからコーポレート、教育まで、実際のプロジェクトで使われてきた実績のあるブランドです。

品質とサステナビリティ

見た目の個性だけでなく、商業空間で求められる耐久性と環境への配慮も、公式に明示されています。

  • FSC認証木材の使用
  • ISO 9001:2015(品質)/ISO 14001:2015(環境)の認証
  • 自社工場への太陽光発電導入により、CO₂を年間約425トン削減と公表
  • 設計・製造をイタリア国内で完結

日本の商業空間という文脈で

国内の商業空間は、ここ数年で「世界観のあるリノベーション・コンバージョン」へと関心が移ってきました。その流れのなかで、海外のコントラクト家具は、空間に個性を与える選択肢のひとつになりつつあります。一方で、日本ではまだ展示・流通の機会が限られ、実物を見られる場が多くないのも事実です。

弊社では、欧州の家具やデザインの動向を継続的に取材しています。記事で取り上げたブランドについて、取り寄せや現物確認を含めたご相談も承っていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

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次回予告

第3回は、同じコントラクト系から「TM Leader Contract」── 遊び心と機能性をあわせ持つ商業空間向けブランドを取り上げる予定です。

取材・撮影:弊社 月坂 / 編集:株式会社ユーロJスペース 編集部